23 Sept 2010

イヌの名前、これまでうちに来たイヌのこと




   








好きな人物、好きな食べ物、イヌの特徴、物語や時事ネタのキャラクターから名付けられたもの等々イヌの名前って様々ですね。
やはり多いのはヒトの名前ですが、中には、お子さんがコタロウ君で飼い犬がコジロウ君という住民台帳に載せても全く違和感ないケースも。
いずれにせよ、それぞれイヌの命名の理由から飼い主の思いや歴史などが伺え知ることもできます。


タロウ、ジロウ、メリー、コロ。
イヌの名前としては余りにも素直なので、家族満場一致で決まりました。殆どこだわっていなかったのも事実です。
この4匹は、私がまだ小学校に上がらぬ頃、立て続けにうちにやって来ました。

タロウは兄の同級生の家で生まれた白柴。ある夏休みの朝、兄達だけで連れ出した散歩でおまわりさんの自転車にひき逃げされてしまい、仔犬のままあっけなく逝ってしまいました。今でも兄達の落ち度を恨めしく思います。
父は、近くの警察署に電話で怒鳴り込みました。ひき逃げ犯のおまわりさんが、パトカーで兄達をうちに迎えに来てペットショップへ。そこで連れて帰って来たのがジロウです。
ジロウは黒い虎毛だったので甲斐犬だったのでしょうか。詳しい事は誰も知らない。彼はとてもおとなしい仔犬だったのですが、家に来た時から下痢が止まらず、何度も動物病院に通い、最終的に入院先で亡くなってしまいました。
その後しばらくして、ご近所に仔犬生まれましたとの貼り紙を見つけ、譲っていただいたのがラフコリーの女の子、メリーです。洋犬なので洋風のお名前に。
メリーもワンともキャンとも鳴かないおとなしいワンコでした。実はお利口さんだっただけなのですが、ジロウのこともあり、おとなしい=病弱と皆が思ってしまうようになっていたので一週間でお返ししてしまいました。後にも先にも迎え入れたワンコの中でメスは彼女だけです。
また、メリーという名前のワンコには他に一度も会ったことがありません。イヌの名前としてポピュラーそうだと思っていたのですが...

因に、ミンモにとってはメリーはヒツジの耳のこと。生後半年くらいの時に数枚味わったことがあります。ヒツジというのがどうも発音し難く、ミンモにも聞き取り辛いかと思い、メリーさんと呼んでました。ただし、がっついて丸呑みしては戻すのを牛のように繰り返したので、その数枚以来、彼にはあげていません。しかし、今でもミンモの耳元で「メリーさん」とこっそり囁くと非常に興奮して、キョロキョロ探し回ります。
なので、メリーさんというワンコが周りに居なくて良かったと今はほっとしています。

子供の頃、最後にうちに来たのが、コロです。和犬とスピッツの雑種らしき薄いクリーム色のふさふさのイヌで、ご近所さんからいただきました。
勇敢なヤツで、うちに来た日に階段を降りようとして転げ落ちたので、コロ。
やっとです、彼とはすぐ別れるという憂き目を見ずに済みました。
車酔いするのに、奥多摩まで連れ出して川遊びを何度も楽しみました。川は私の住む大田区にもありますが、あの当時、生活排水垂れ流しのため洗剤の泡でポワポワむくむくと真っ白で、近付くのも恐ろしかったのです。
おやつはコロのを分けてもらっていました。時代が時代なので塩分無調整の煮干しです。クラスメート達もあの家に行けば煮干しが食えるとよくどかどかとやって来たものです。えっ、みんなの家では煮干しは食べないの...?  一般的にヒトは煮干しをそのままムシャムシャ食べないと知ったのはその時でした。
8年ほどの一生のうち、コロは近所でしばしば似たような顔の仔犬を産ませてしまいました。今ではそんなことさせたらとんでもない騒ぎになりますね。
  

さて、ミンモ。
この名前はミンモと呼ばれる友人から頂戴しました。
ミンモとは、イタリア名でドメニコの愛称です。特に南イタリアのかかとの部分に多い名前で、彼もその地方の出身でした。田舎モンと馬鹿にされるけど愛される名前。気のイイ、ちょっと間抜けな南イタリア人の代表として小話にも登場したり。
実際、イタリア人達に飼い犬の名前を教えると、「め〜んもっ?!」と南イタリア訛りの発音で聞き返してきます。
とにかく響きを気に入ったのがまず第一の理由。また、そのオリジナルミンモも気立ての優しい毛深いヤツで、おまけにホモセクシャルでした。いつか飼うであろうイヌは♂であり、当然ながら女遊びは御法度と決め込んでいた私は、まだ見ぬ我が愛犬をミンモとその時点で命名しました。四半世紀以上前のことです。





最後にデデ。
これは思いがけなくとっさに出て来た名前でした。実は、プチブラバンソンならこの名前だと、他の名でずっとイメージしていたのです。
彼の容姿はそれとは違ったので、デデの契約をしている時点でお名前は?と聞かれ、決めていたのとは全く違う名を口にしてしまいました。
そう云えば、頭のイカレタお茶目なデデというおっさんが主人公のしぶい映画があったよなあと頭を過り、あれも渾名だからミンモとコンセプトは一緒だと。
映画好きの旧友は、以前デデの名を聞いた途端、え〜っ?あのデデ〜?!と喜んでいましたよ。因に、8月のBBQ会でデデを馬鹿のブタ呼ばわりしたフランス人の若者も。
ただ、この映画に関しては賛否両論で、薦めた友人の一部から「よくもこんな映画見せやがって!」とお叱りを受けたこともあるため流します。





ところで「ポチ」は、イヌの名前の代名詞のように扱われていますが、私は、未だポチとよばれるワンコには一度も会ったことがありません。
ポチって感覚的にあまりにもイヌイヌしているため、名前というよりワンワンとかワンコとかと同じ位置付けなのでしょうか。